矯正歯科についての話

矯正治療費について

以下は矯正治療についての目安となる費用です。
※患者様の歯並びによって前後します。

部分矯正 ¥100,000~
全体矯正 ¥700,000~

矯正して顔が変わる人かどうかの見分け方

矯正歯科(歯科矯正、歯列矯正)治療で顔が変わるか否かはマスクで口元を覆ってみるとだいたい判ります。

■マスクをすると普通なのに外すとなにかチガウという方。

目から上の部分と下の部分とのバランスが取れていないことが考えられます。
歯が前にあるために口元が前に突き出ている場合と、もしかしたら学術的には顎変形症と言われているものかもしれません。そうだとしたら、アゴ(顎、頤)が長い、大きい、短い、小さい、左右でズレている等の場合アゴそのものの成長過程で生じた骨格的なズレが原因として考えられるので、骨格を正常な範囲にもどす必要があることも考えられます。

■マスクをしても外してもあまり印象に差がないという方。

口元には問題がなく、八重歯など口の中で歯だけがデコボコに並んでいる方です。しかし治療が終わったら、ニコッと笑ったときキラリと綺麗な歯が見えるようになり ます。

顎、オトガイ(頤)の形でお悩みの方

アゴ(顎)、オトガイが長い、大きい、短い、小さい、左や右にズレている等の場合に、成長の段階での上下前後左右のアンバランスな発育があり、上下の咬み合わせが合っていないことがほとんどです。

このような人は受け口や前歯が出ているいわゆる出っ歯の人に時々いますが、本人が気がつかないというよりも治療すれば非常によく治ることを知らない場合が多いようです。

治療の方法は簡単に言えば禅問答じみていますが、顎に歯を合わせるか、顔に顎と歯を合わせるかです。個人差が大きく、個人における感覚の差も大きいので一概に言えませんが、現在は治療方法が劇的に進歩しているので治療を受けた患者様がほぼ満足されるレベルにあるといえると思います。

インプラント矯正について

インプラント矯正・SAS(スケレタルアンカレッジシステム)

Implantインプラント、日本語では「植立」とか「移植」とか翻訳していますが要するに、本来あるものではない物を体に植え込むことです。

歯を失くしたら入れ歯をしますが、入れ歯の土台の一つにインプラントをするという場合があります。近年ようやくインプラントも安定傾向になってきたようで、治療の予測もある程度できるようになったと言われています。

この考えを応用した直径2ミリ以下の細いインプラントを矯正歯科治療に用いたインプラント矯正が注目されています。矯正に用いるインプラントは矯正治療終了時には撤去します。

当院では東北大学の菅原先生が開発しデンツプライサンキンが発売しているSASの一つであるSMAPシステムを用いることが多いです。

初診時

初診時

インプラント矯正治療終了

インプラント矯正治療終了

インプラント矯正治療終了

初診時とインプラント矯正治療終了後の前歯の位置は、大きく矯正されている。
横顔の線は変化しています。

矯正歯科の限界が消えた?

矯正歯科(歯列矯正、歯科矯正)治療は顎の骨を越えて歯を並べることはできません。

そのようなことをすると歯槽膿漏が進んだときみたいに歯肉に歯が乗っているような状態になり、歯がブラブラして噛めなくなります。

おのずと明確な限界はありましたが、このところの医学・歯科医学の進歩により歯が並ぶ顎の骨そのものを移動することも可能になりました。やろうと思えば限界がほとんどなくなりつつあるような気がしています。このことで1番うれしいのは、口蓋裂の患者さんの治療方法が広がっていることです。

年齢 - 子供の矯正、大人の矯正 -

現在では考えられないことですが、1985年頃にキッシンジャー元米国務長官の奥さんが40代で矯正を始めたと言うことが記事になっていました。同じ頃わ たくしも、大人でも矯正できるのかと聞かれたことがあります。矯正歯科(歯列矯正、歯科矯正)治療において年齢に制約はありません。

しかし年齢によってはできない方法もあります。それは成長期間に骨に対してのアプローチができるかどうか、・・でもそれだけです。しかし成長期間で あれば非抜歯矯正(抜かないでおこなう矯正治療)の割合が多くなるので、相談だけはしておくことを勧めます。時期として①前歯が生えてくる小学低学年②乳 歯が抜けて永久歯の咬みあわせになる小学高学年から中学にかけて、がお勧めです。

例えば白⇒灰色⇒黒と変化するように、子供の矯正(小児矯正)と大人の矯正(成人矯正)として分けることがあるのは成長期間かどうかでおおまかに言っているので、小児科から内科のように年齢で分けているのではありません。

大人の矯正(成人矯正)に対して「顎の関節が完成している成人に咬み合わせが変わる矯正歯科治療をすると、関節の具合が悪くなるから歯列矯正をしてはいけ ない。現にそのような患者を見ている」という先生がいます。咬合理論に基づき咬み合わせを再構成する事には歯列矯正治療も入れ歯を造る事も違いはありませ ん。

違いとしては再構成する際に生きている歯を動かすか、人口の歯を並べるかだけです。この先生は噛み合わせを1から再構成しなければならない成人の入れ 歯は、関節の具合が悪くなるから造ってはいけない、といって入れ歯を造らないのでしょうか?きっと「絶対良い入れ歯になる、安心して私に任せて造りなさ い」というと思います。

矯正歯科治療も補綴治療(歯を治す、入れ歯をする)も顎の具合が悪くなることはあります。歯科治療により顎の関節の具合が悪くなり 顎関節症が発症したとしたら、治療の種類によるのではなく他に原因があるのではないかと考えられると思います。

歯を抜くことがない矯正治療=非抜歯矯正

-抜きたい歯科医師がいるはずない!-

歯を抜くことがない矯正治療が話題になっています。「親知らず」は抜いて小臼歯その他は抜かないということを「歯を抜かないでおこなう矯正治療」もしくは「抜かない矯正」、「非抜歯矯正」と言うことがあります。

当院の方針は、抜歯・非抜歯を含め複数のプランを提示し(注・診断参照)メリット・デメリットを説明し、お話し合いをします。技術的には非抜歯矯正が可能 であっても総合的に考えた場合に、本当に患者さんの幸せになるだろうかと思える方法もあるからです。

奥歯を奥に動かすなどできる対策全て講じた結果、抜か ないで矯正治療ができる時はいわゆる非抜歯矯正として抜きませんし、どうしても抜いたほうが良い結果が得られると思われる時は抜く矯正治療をお勧めしま す。抜かない治療法の一つに、キム先生が開発したMEAW(一部ではラーメンワイヤーとも言われている?)を用いる方法がありますが、他に有効な方法が見 つかったので私は、今は用いておりません。

顔の形や口の中を見もしないで、頑なに抜く抜かないを決めるのではなく、患者さんにとって一番幸せな方法は何か を常に考えることだけは怠らないように自戒しています。

歯を抜くか抜かないかは機能と形態を調和させようとすれば、必然的に決まる事であると考えています。抜くかどうかの問題については米国で1950年代に決 着がついているという見解を支持しています。

50年前の古いことで今は技術が進歩しているから抜かなくても良くなったと思ったり、そのように説明されたり しているかもしれません。

しかし技術のことではなく、「歯は舌により外に出されようとし頬や唇により中に押し込められているのでおのずと安定している位置 というものがある。歯は、安定しようとする位置を越えて並べても、リテイナー(保定装置)をやめた時に結局は安定する位置に変化していく」という事を、つ まり生体における機能として適正な位置があると言っているのです。

これは人間の顔の構造が変わらない限り変わることはないと思います。取り外しできるリテ イナーも、歯の裏側に細い針金を接着しているリテイナーも、つけている間はほとんど変化しません。

一生リテイナーを付けているわけにはいかないでしょうか ら、何時かは止めなければならない日がくると思います。その時から歯列に変化が始まるのではないでしょうか。

いついかなる時でも患者さんにとって良い治療 とは何かを最優先に考えています。目先の流行などではなく長い目で見る事が大事だと思います。

矯正歯科に用いる装置についてのお話

Head gear(ヘッドギィヤ,ヘッドギア)

基本的には上の顎が過度に成長しているいわば歯が前に出ている場合に、成長抑制の目的で成長期に使用します。上顎が過度に成長している場合は日本人はおろか白人にも少ないと言われ、ほとんどが下の顎の成長不足か成長方向が前下方ではなくズレていると言われています。実際今まで当院では成長抑制が必要な患者さんはいませんでした。 しかし上の6才臼歯を作用点とするため力の強さをコントロールする事でいろいろな使い方ができます。その一つに「抜かない矯正」をするときに6歳臼歯を奥に移動することで歯が並ぶ場所を作ったり、「抜く矯正治療」をするときに前の歯に作用させた力を消す目的で用いる事があります。当院ではヘッドギアは患者さんの負担が大きすぎるのと、他の方法で負担をかけることなく同等かそれ以上に対処できる事から20年くらい前から使わなくなりました。

Chin cup(チンカップ、チンキャップ)

下顎の成長を抑制する目的で成長期に使用します。1日12時間以上が原則です。顎関節に対して影響があるように思えることや効果に対して疑問があるので、ここ15年くらい使っていません。

床矯正装置について

プレート矯正装置とも言いますが、自由に取り外しができる矯正装置です。 取り外しができるということは、歯に対しての3次元的なコントロールがほぼできないと言えると思います
。しかしコントロールする必要を感じなければ問題はありません。

そして歯形を採るだけで技工士さんに作ってもらい、それを患者さんに使ってもらうという簡便なところが、歯科医にとってはメリットになっています。