小児歯科の窓
私は無理に治療することには何の意味も認めていません。そもそも乳歯を治療する目的は抜かずに残す為であり、なぜ残すのかと言えば「乳歯は永久歯が良い位置に生えるための最良のガイド」だからです。全ては永久歯が良い位置に生えて良く咬めて健康な体を維持できるようにするためです。ここをまちがえて、いまだに小児歯科を標榜する歯科医院のなかには、「治療することが目的でそのためにはたいていのことは許される」と思っている歯科医師がいるようです。
当院では子供さんを「泣かせない」「泣かずにすませる」つまり「治療に対しての恐怖感」を抱かせないことを全てに優先した治療方針で小児歯科診療を行っています。叱ったり大きな声を出したり暴れるからといって拘束(網でオクルミ、バスタオルで包む等)したりはしません。親御さんを治療室に入れない歯科医院もあるようですが、見られて困ることはないので親御さんにも入ってもらい見ている前で治療します。
大きくなってから歯科医院が大嫌いになって、痛くても我慢してどうしようもなくなってから嫌々来院したり、歯槽膿漏でグラグラになって触っただけで抜けるまで来院しないなどは幼い頃の歯科治療に遠因があるような気がします。
歯科医院は怖いところではなく、「健康のために定期的に通う所」をめざしています。